日本の「子どもの貧困率」は13%。
これは、1学級35人の中で4,5人に当たる数字です。
すべての親が子どもの未来と可能性を信じ、
幸せを心から願っているにもかかわらず、です。

経済的な理由で学ぶことや探求することを諦めざるを得ない子どもの心情もさることながら、我が子を思う親の心情はいかばかりかと察します。

私的な話で恐縮ですが、私は両親、特に母に不自由なく育てられました。
「特に母に」と言ったのは、本当は経済的苦労があったにもかかわらず、
母はその困窮を自分だけで飲み込み、私にはその片鱗も見せなかったからです。
「子どもにだけは…」という母の思いが、私が不自由なく育った背景にあります。
つまり、私の自由の土台には、母の「人に言えない苦労」が多々あったのだと、
私が大人になり、親になって実感しています。

今回設立する財団には、私の母、増田冨美の名前がついています。
日本に数多くいる、私の母のような親たち、さらに苦境に立たされている親たち、
そして、彼らの子どもたちを一人でも多く支援したいと心から願い設立しました。

当財団は、「自主自律」、「自由と責任」のもとに、多様な文化や価値観を受け入れ協力しながら未来をつかみ取れる才能や可能性のある子どもの修学を、返済の必要のない奨学金によって長期的に支援してまいります。
子ども達の未来が広がるよう、取り組む所存です。

2021年8月2日